(アキタカタに棲む魔物VOL1よりつづき)
DANさんがPITアウトしたのは予定の15分オーバー、
スタートからおよそ1時間5分が経過したところで、残りはまだ4時間近くあります。
このままいけば単純計算で後2回、50分走行が待っているのでDANさんが走っている間に
体のケアと休息をすることに。
この時に、今年のカートピスタ走行会で知り合ったよしさんが、痛めた首筋に冷却スプレーをかけ
てくれました。
メンバーや知人の優しさに触れて、自分の中に閉じ込めていたモヤモヤを吐き出し
てこそ、
良いレースができると思い、嫁さんにその正体を打ち明けました。
走ってるときに光星(息子)が「こっちに来て」って話しかけてきてね。
で、「今は行けない」とか「後でね」とか思ってたら集中できなくて・・・。
7月7日が光星の命日で、その2日前にお参りに行った後から、なんとなく自分の周りに息子がい
て寂しそうにしてる気がしてたんです。
過去のレース中にそんな事は一度だって無かったし、霊感も無いんですけどね。
この後に監督のパスパスさんにも打ち明けたらスッキリしてきました。
レースの方はというと、マシンの状態は悪くないようで、
DANさんは私のマシンであるにもかかわらず自己ベストに近いタイムを連発し、
確実に順位を上げて50分のノルマを走ってくれました。
DANさんが戻ってきて私の2回目の走行です。
もちろんノルマは50分。
最初は自分の体が走れる状態か探るように、無理せず丁寧に走ってみます。
痛みはあるものの、体の全可動域が問題なく使えるとわかってからはペースアップ。
転倒前に近いタイムも表示されはじめ、モヤモヤもなくなっていました。
こうなったら次の問題は酷暑の中で50分体力がもつかどうかです。
そう思い始めた頃に、
ラッキーな事に標的出現です。
レースを始めた頃からの永遠の目標であるやっさんが追い抜きの時に振り返って
「付いて来い!」とアピールしてくれました。
昨年の復帰レースの頃なんかはタイム差がありすぎてあっという間に消えていた彼も
今はこちらがタイムアップしているので腕試しに挑発にのります。
単走では逃げられますが、周回遅れが絡んだ時には追いつけます。
こうなってくると面白くてしかたありません。
イケる所まで行って離されたらしかたないと割り
切ってとにかく追いすがります。
ペースが遅い集団に絡んだところで地力の差が出てしまい、
悠々と逃げられてしまいました。
レースに集中できた事もあって、心配していた50分のノルマを達成でき、
PITに「交替お願い」のゼスチャーを。すぐに準備してくれてPITに戻ります。
今回のライダー交代時には給油が必要になります。
予め準備しておいた5ℓの燃料をタンクに注入。
が、足りない・・・。
次の交替で更に給油が必要になるのはしかたないと割り切ってDANさんに出てもらいました。
この休憩の間にチームの順位を確認したら、35号車のやまっち&O野組がなんとクラス1位。
しかしライバルチームもほぼ同じ周回数で続いているので油断はできません。
体を休めて次の給油の準備も済ませ、トイレにも行って最後の走行への準備は万端。
DANさん、2回目もしっかり順位を上げて50分ノルマ達成でPITへ。
給油中にDANさんから「リアが滑ります」と情報をもらう。
こちらは体の痛みもあったので、「50分持たないかもしれない」
と伝える事ができました。
こういったやりとりは給油ロスのおかげなので、前の給油で燃料が足りなかったのはかえって良
かったのかも。
自分にとっての最後の走行。
総合47位まで落ちていた順位も二人でコツコツ上げて
総合30位代前半まできていました。
残りはまだ1時間半近くあったので、とにかく冷静になって確実に順位を上げる事に。
前回の耐久でライバル関係となったチームFLAGの2号車と
抜きつ抜かれつを楽しみつつ
時間を消化していきます。
単走になってミスが出始めた頃に、クラス優勝の可能性を秘めたチームメイト、
35号車のやまっちさんが横に並んできました。
お互いにアイコンタクトのような感じで激励し合いコーナーに突入。
この酷暑のなか2時間半交替という地獄のような作戦のやまっちさん、
やはり疲れているのか
はたまた走りきるためのペース配分なのか、けっこうついていけます。
彼についていけば自分もペースアップできるのでくらいつく事に。
良い感じでついて行き、離されたと思っても遅いマシンに絡んだ時に追いつき、
時には遅いマシンに邪魔されたやまっちさんを抜けそうな時もありましたが
トップを走っている事がわかっていたので邪魔しないように追走を徹底。
2周ほどくっついて走って3周目の最終コーナー、ついに自分がミス。
今回は単純ミスだったのでコースアウトはしたものの、側壁激突は免れタイムロスだけで済みました。
この時のタイムロスでPIT側が疲労か痛みの心配をしてくれたようで、
予定より早く嫁さんからピットインのサインが出ました。
自分としては単なるミスだったので「まだ時間あるけどな?」と走っていました。
2周後、今度は監督のパスパスさんからサインが出たので「もう1周」と指を出してから
最後の1周へ。
残り時間は50分、最後のPITに滑り込み、DANさんに完走を託す。
ツナギを脱いでコースサイドから様子を伺うと、チームメイトのやまっちさんはトップのまま。
しかし2位が周あたり1~2秒速いペースで追っている模様。
サインボードに「UP」(ペースアップ)とか「-25」(25秒差)とか
「23」(相手のゼッケン)を出し続ける。
残り20分を切って2位との差は10秒を切り、
ついに捉えられてしまいました。
抜かれても懸命に追いすがるやまっちさん。
しかし確実に離されてしまいます。
その頃のDANさんは体力がキツイにもかかわらず、依然好タイムを出し続けています。
残り10分を切って、2台のマシンがホームストレートを通るたびにメンバーが拳を振り上げて
応援します。
最終ラップ、2台のマシンが立て続けに通り過ぎました。
どうせならランデブー走行でゴールすればいいのになぁ等と思ってましたが
走ってるほうは最後まで全力です。
そしてついにチェッカーフラッグが振られます。
やまっちさんがゴール、続いてDANさんがゴール。
こうして暑くて長い5時間耐久レースは幕を閉じました。
まだ暫定順位しか出ていませんが、チームの成績は
35号車(やまっち&O野)SPクラス2位
36号車(タケル&がちゃぴん&Y島)リタイア
37号車(みやっち&DAN)SPクラス15位
個人的には2年連続で夏のタカタに棲む魔物に喰われてしまいましたが、
完走できたので来夏こそはリベンジできそうな予感が。
その前に9月7日の3時間耐久で今回の反省点を活かして上位進出を狙います!
(文:写真 みやっち)